2005年08月27日

珪藻土の危険性【発がん性】を検討!問題のまとめ

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《 続・シビアな問題のちょっとした調査−第8話(最終話) 》

 

 

【9】 この問題のまとめ

 

一週間小難しい話しにお付き合いいただき有難うございました。

きょうでこのちょっとした調査も最終話となります。

 

そこでまず、いままでの各話を簡単にまとめてみました。

 

 

【1】この問題の経緯 ・・・ この問題はIARC(国際がん研究機関)の

   レポートがきっかけで、日本でも政府がしっかり検討している。

 

【2】シリカってなに?建築に使われるシリカ ・・・ シリカは地殻の6割

   を占めるほどの物質で、建築・工作物にも多用されている凄く

   身近な物質。


【3】 やり玉にあがった珪藻土

    ・・・ 健康素材とされる珪藻土まで危険視する輩が現れた!


【4】 じん肺という病 ・・・ この問題とは切っても切れない病である

      じん肺という日本最大の職業病。しかしその病を防止する為

   の規制は「粉じんを長期多量曝露する」特殊な労働条件での事。


【5】 厚生労働省 労働基準局の報告を読み解く ・・・ IARCの報告

   のみならず多数の文献を検討した結果、結晶質シリカはじん肺

   患者に対しては発がんのリスクはあるが、そうでない人への

   関連性はいまだ明確にはなっていない。


【6】 そもそも珪藻土って結晶性のシリカなのか? ・・・ もともとは

   非結晶質シリカである珪藻土は焼成されて一部が結晶質シリカ

   に変化するが、結晶質シリカに変化してしまったそれは吸湿性

   も失われてしまう。 建材として使われる珪藻土は全組成が変化

   しているわけではない。


【7】 結晶質シリカを3%以上含む珪藻土は危険??? ・・・ 世界保

   健機構(WHO)が3.0%を超える結晶質シリカを含む珪藻土が人

   に対して危険があると警告する公式な文献は存在しない。

 

【8】 住宅で塗り壁として使われる珪藻土としての危険性 ・・・ 一度

    固化した珪藻土塗り壁が、規制濃度を満たすほど粉体を長期

    にわたって浮遊させることは不可能に近いと思われる。

 

 

・・・という流れでしたね、なんだかまとまりがなくお読みいただいている方へ恐縮至極です(涙)

 

 

さて一週間に渡ってまわりくどい話しをさせていただき、前回私どもなりの結論(私見)に述べたとおり、塗り壁としての珪藻土建材の安全性は問題視するようなことではないと考えていますが、ご自分の家に採用するかしないかの最終的な判断は、もちろん住まい手に委ねられています。

 

もし左官塗り壁は採用したいけど、万一のことを考えると心配なら、なるべく表面硬度の高い商品を選ばれるのもひとつの手ですし、あるいは珪藻土建材以外の塗り壁を選ばれるのもいいでしょう。

 

注意点としては珪藻土建材の中にも、つなぎとしての合成樹脂や化学物質を多量に含み、肝心の珪藻土は少ししか含まれていない見かけだおしの商品もたくさん出回っている事があります。

 

また、珪藻土以外でも自然素材系の塗り壁材は多いですが、同様にその材質の安全性はよく確認されるべきです。 仮に発がん性がないとされている素材でも、健康への悪影響がある素材はたくさんありますから。

 

ただ、あまり神経質になるのもどうかと思います。

 

IARCグループ1の肺がん物質とされているものにはタバコはもちろん、ビールやワインなどのアルコール、それに木工の粉塵!、変わったとこだと太陽光!なども含まれてるんですよね・・・ そのうち身の回りのものぜ〜んぶ発がん性物質に指定されちゃったりして(笑)

 

さいごに、珪藻土は「濾過材」としてプール用、医療用、ビールやジュースなどの飲料製品製造、汚水処理施設、ゴミ処理場、排ガス処理など非常に広範囲に利用されていますし、食品衛生法上の食品添加物として認められている物質でもあるという事を補足情報として付け加えておきます・・・

 

 このシリカのお話しはこれでいったん終わりにします。

最後までご覧いただき誠に有難うございました。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

最後に・・・

 

ちょっとした調査のつもりが予想外に長いものになってしまいましたが、 極力私見は慎み、なるべく広範囲の事実をお知らせすることで、皆さんが選択する際のお役に立てればという思いからのこと。

どうぞご容赦下さい。

 

また常日頃研究論文などをお読みになっている技術者の方などには、調査などというにはおこがましい稚拙な内容に思えたことでしょう。お恥ずかしいです。

 

ご指摘の点、異論、反論、賛成などあればコメントをいただきたく実直にご意見伺いたいと思います。

 

 

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2005年08月26日

塗り壁材としての珪藻土の危険性

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《 続・シビアな問題のちょっとした調査−第7話 》

 

 

【8】 住宅で使われる塗り壁としての珪藻土の危険性の検討

 

では、前回のつづきで、万一結晶質シリカを含有する珪藻土が人体への危険性があると仮定して、結局どう判断したらいいんだ?ということを検討してゆきます。

 

 

すでに皆さんご理解いただいていると思いますが、今回の問題ではIARCをはじめとする各国の公式な判断も全て、大前提として『粉体としての結晶質シリカの長期多量曝露という労働作業条件』に対して警告を促し規制をかけているのでしたね。

 

ですから話しは単純なのですが、粉体として空気に浮遊しない限りは人体への影響はないわけです。

 

浮遊しなければ人の肺まで届きませんからね。

 

だいたいシリカじたいは無機質ですから身体に有害なVOCなど一切発生しませんし、その意味ではとても安心できる物質です。

 

例えば枕もとに水晶や御影石(みかげいし)などのIARCで発がん性がもっとも高いとされているシリカを置いて毎日寝ていても、健康でいられるはずです(笑)

 

そこでまず調べてみたのが塗り壁になる以前の珪藻土素材がどの程度の大きさ=粒の直径(粒径)なのかということです。

 

結果はその珪藻土の種類(産地や製造法)によってかなりバラつきがあり、もっとも小さい平均径で10μm、大きいもので35μmでした。

 

ちなみに話題の「浮遊粒子状物質」の環境省が定義しているところによれば『大気中に浮遊する粒子状物質であってその粒径が10μm以下のものをいう。となっています。

 

珪藻土の平均粒径の一番小さいもので10μmですので大丈夫というラインではありませんね、それに「平均」粒径ですから、10μmより小さい粒径のものもあるでしょう。 でも珪藻土全般でいえば塗り壁になる前の状態であっても大半は浮遊しないと言っても誤りではなさそうです。

 

とはいえ、やっぱり浮遊する粒もあるでしょうから施工時水と混ぜる時などは作業者はマスクなどして注意すべきでしょう。

 

ではいったん塗り壁となり固形化した珪藻土がいったいどれほど「粉体」になるかと考えると・・・

 

珪藻土建材にもよるのでしょうが、経験上表面硬度をかなり硬くしている商品が多い(クレーム防止のため)ですので、ヤスリなどで故意に削らない限り、自然の状態で粉体になることは考え難いことです。

 

しかも一度固化したものですから、剥がれる時は周囲と一緒に剥がれることは想像に難くなく、10μmの粒径を保ったまま分離させることは、仮に意図的にやろうとしても困難な作業でしょう。

 

付け加えると珪藻土はその吸湿性が高いことが特徴ですから粒子は水分を含んで、重量が増すことも推測できます。

 

 

 

ここで私どもなりの結論(私見)を述べます・・・

 

常識的に考えて一度固化した珪藻土塗り壁が、規制濃度を満たすほど粉体を長期にわたり浮遊させることは不可能に近い。

・・・こう考えるのが普通でしょう。

 

あとは、珪藻土塗り壁を嫌う理由があるとすれば、施工時及び製造時(いずれもきちんと管理されていれば問題ありませんが)また解体時における「粉体浮遊」による曝露を心配するかどうかです。

 

しかし解体時の危険性は、話題のアスベストと混同すべきではありませんね、あれは「超軽量、超耐久性、超極細繊維」という特質があり、いちど浮遊させてしまうとずっと浮遊し続けてしまうから危険なのです。

 

解体時といえど、いったいどれだけ浮遊できるほど粉体と成り得るのか甚だ疑問ですが、 仮に浮遊したとしてもアスベストのようにずっと空気中に浮遊し続けるのはその組成からして難しいと推測します。(浮遊し続けなければ人へ多量の曝露は不可能)

 
 
明日は最終話、この問題のまとめです・・・
 
 
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2005年08月25日

珪藻土の危険性を検討!結晶性シリカを3%含む珪藻土は危険?

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《 続・シビアな問題のちょっとした調査−第6話 》

 

 

【7】 結晶質シリカを3%以上含む珪藻土は危険???

 

今まで国内外を問わずインターネット上で色々な公的文章を閲覧していましたが「結晶質のシリカを3%以上含む珪藻土が危険」なんて文面に出くわしたことはありませんでしたので、すごく不信に思って調べてみると・・・

 

どうも情報ネタは以下のサイトだという事が分かりました。

 

米国テキサス州のオーガニックソリューションという会社のサイト

その中の珪藻土についての成分情報のページです。

 

ここは珪藻土を原料にした殺虫剤を製造販売している民間の企業で、いわば環境に優しい殺虫剤を売りにしてメシを食っている会社。

※珪藻土を原料にした粉体の殺虫剤は主にアメリカでは多く販売されているようです。珪藻土の高い吸湿力で甲虫類の皮膚面を乾燥させ、ひいては脱水させて死に至らせる理屈で、原料が珪藻土ですから土に還り環境にも優しいというわけです。)

 

で、問題の文面は『The World Health Organization cautions that daiatomaceous earth with a crystalline silica content over 3.0% is dangerous to humans.』訳しますと・・・

 

『世界保健機構(WHO)は3.0%を超える結晶質シリカを含む珪藻土は人に対して危険であると警告している。』・・・ヤバイですよね(笑)

 

※この会社の使っている珪藻土は結晶質シリカの含有量が0.36から1.12%のあいだなので大丈夫らしいんですけど・・・)

 

まず、なにはともあれWHOが本当にそんなリリースをしているのか確認してみました。公式にWHOがリリースしたものなら、必ずHP上で閲覧可能なはずですからね・・・

 

世界保健機構(WHO)本部のサイト

 

このサイト、膨大な量のライブラリがありますが、幸いなことにサイト内に強力な検索エンジンを備えている事と、かなりのドキュメントがPDFに変換してありますので、(PDFにも強力な検索機能が有る)検索に強い言語(英語)との相乗効果で探すのは簡単なはず・・・

だったんですが・・・ぜんぜん全く引っ掛かりません。

あまり関係なさそうな文献もチェックし膨大な時間を浪費して・・・

 

結局、問題の文献は見つかりませんでした。

 

ちなみに当然ですがWHOの付属機関であるIARC(国際がん研究所)のサイトも洗いざらい調べてみましたし・・・

 

他の公式機関の間違いなんじゃないかと思ってOSHA(米国労働安全衛生庁)のサイトなどもチェックしました。

 

あ、言うまでもありませんが日本語サイトにはもちろんありません。

 

まぁ考えられるところは全部調べてみましたが、結局ほんの数件検索に引っ掛かるのは、やはり先の米国の殺虫剤屋さんと同業者のHPだけでしたね。(たぶんソースは一緒だと思われます。)

 

かなりの日数を費やして今回調べた範囲内では、公式なリリースなど存在しないと判断せざるをえません。

 

※もしかしたら当方の調べ方が悪かったのかもしれませんので、もし詳しいことをご存知の方がいらっしゃたら是非教えていただきたいとお願いしておきます。)

 

また補足的な情報ですが、先の米国の殺虫剤屋さんのサイトを調べたところ、1日平均の訪問者数がわずか6件、現在までのトータルアクセス数ですら1万アクセス程度。ほとんど利用してる人はいないんじゃないかと思われる不人気サイトでした(笑)

 

しかし、だからといって全くこの話しがデマと断言することもできません。

 

ですから次回より、百歩譲ってこの話しがもし本当だと仮定して、どうなんだってところを検討したいと思います。

 

 
明日は「住宅に使われる塗り壁としての珪藻土の危険性の検討」です。
 
 
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2005年08月24日

珪藻土の危険性を検討!そもそも珪藻土は結晶性のシリカなのか?

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《 続・シビアな問題のちょっとした調査−第5話 》

 

 

【6】 そもそも珪藻土って結晶性のシリカなのか?

 

このへんでちょっと「珪藻土の素材そのもの」に話しを戻しましょう。

 

いわゆる「珪藻土建材」の原料となる珪藻土は珪砂などと同様、自然界から採取される非結晶の二酸化ケイ素=シリカです。

・・・ と前々回書きました。

 

そして最初の「シビアな問題の 〜 調査」にはこうも書きました・・・

 

「珪藻土建材は全て焼成しています。 そして非結晶シリカである 珪藻土は焼成されて結晶性シリカとなります。」

 

・・・ その後自分で書いておきながらちょっと不信に思い、このことを再調査してみたところ、あらたに公的な機関の研究報告が見つかりました。

 

こちらです能登珪藻土の吸放湿特性

 

これは石川県工業試験場が公開している珪藻土の研究論文です。

 

この報告の中にとても注目すべき記述を見つけました・・・

 

「全く吸湿能を失った1,200℃で焼成した精製品の非結晶シリカが、ほとんどクリストバライトに変化している。」

 

クリストバライトとはIARCのグループ1に分類される発がん性の結晶質シリカです。

 

「やっぱり発がん性のある結晶質のシリカになってるじゃないか!」

・・・という声が聞こえてきそうですね。

 

しかし注目すべきことは、ほとんど結晶質のシリカになってしまった

珪藻土の吸湿性能が完全に失われている点です。

 

言い換えると・・・

 

結晶質シリカに変質した部分は調湿性がなくなっている

 

・・・ということです。

 

翻って、まだふんだんに調湿性能が発揮されている珪藻土について考えると、その組成に非結晶の部分が多く残されていてそれが機能している証拠ではないかと考えました。

 

そこで焼成珪藻土(岡山産)を製造しているメーカー( 珪藻土建材の元になる素材としての珪藻土を製造しているメーカーです。)からクリストバライトの含有データの情報をゲットしました。

 

結果は3.6〜23%というもの。

(社内データ、測定方法は未だ一般化していないようです。)

 

正直もっと低い数字を期待してたんですが、まぁ想定内ってとこだと思います。

 

一品種の珪藻土のデータだけとって語るのもどうかと思いますが、このことから、吸湿性能の高い珪藻土ほど結晶性シリカに変化している割合は少ない、と考えてもあながち誤りでもなさそうです。

 

 

ところで、そんなおり珪藻土の結晶質シリカの含有量が3%を超えるものが危険だとする文章が海外にあると聞きました。

 

これは聞き捨てならない話し(含有率)です!

今回のデータは3%以上なんですから・・・

 

その話しの真偽を確かめる必要がありそうです・・・

 

 

明日は「結晶質シリカを3%以上含む珪藻土は危険???」です!
 
 
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2005年08月23日

珪藻土の危険性【発がん性】を検討!厚生省の報告書を読み解く

《 続・シビアな問題のちょっとした調査−第4話 》

【5】 厚生労働省 労働基準局の報告を読み解く

前回、『労働基準局の議事録や報告書にどうやらヒントが隠されているようです。』と述べました。

その理由は、このレポートを読んでみると・・・   この検討会では
IARCの報告だけでなく、各国のシリカ関係の研究資料・論文を多数集めて公平に検討していることがわかるからです。

文献の数は93件にも及んでいます。

では厚生労働省の労働基準局が国内の権威である専門家達を招集し、「肺がんを併発するじん肺の健康管理等に関する検討会」によってまとめられた報告はどんな内容なのでしょうか?

肺がんを併発するじん肺の健康管理に関する検討会
第1回議事録(平成13年 7月 3日開催)
第2回議事録(平成13年10月11日開催)
第3回議事録(平成14年 4月30日開催)
第4回議事録(平成14年 8月 8日開催)

報告書(平成14年10月 1日)

議事録や報告書をざっと読み進めていくと、まず気づく点は・・・

「珪藻土」という単語がほとんど登場しないことです。

出てくる事例のほとんどが採石や鉱山、レンガ、陶器などの、もろに結晶質のシリカである物質を取り扱う産業での被害例ですね。

唯一「珪藻土産業」の研究報告は1例だけあり、( Checkowayらの珪藻土作業者についての研究論文:1999年 ) そのなかで非珪肺患者群にシリカ曝露と肺がんリスクの相関関係が若干認められるものの珪肺症例が少なく判断は困難との結論を得ています。

そして最後の報告書の結論として⇒結論・評価と書かれています。

この結論を要約すると・・・

・結晶質シリカを含む粉じんの曝露を受けた集団に肺がんリスク
 が若干上昇している。

・じん肺患者群を調べた調査ではリスク上昇が認められる。

・非じん肺患者群を調べた8調査ではリスク上昇はみられなかった。

・動物実験と変異原性試験からは結晶性シリカの発がん性は明確
 には認められなかった。

・しかしじん肺の病変を介して肺がんが発生するプロセスを類推
 することは疫学的結果と矛盾せず合理的な説明が可能。

・結局今回のスタディーからは結晶質シリカそのものの発がん性
 は明らかにできなかった。

・だが今後知見を蓄積したうえで再判断が必要。

長いのでこれをもっと短く解りやすくまとめると・・・

じん肺(珪肺)患者にとっては結晶質シリカは発がん性のあるものだけど、そうでない人にとって発がん性があるかどうかは、はっきり分からない。 でも今後研究を要する。

・・・ということでしょうか。

とはいえ、じゃあ普通の人なら結晶質シリカをガンガン吸っちゃっても平気なのか?ってことにはなりませんよ。
肺がんになる前にじん肺(珪肺)になっちゃいますから。

このへんのことは、同じく労働基準局が続いて平成14年3月から平成15年7月、9回に渡って研究会を開催した「管理濃度等検討会」によって、空気中の結晶質シリカの管理濃度も検討されています。

その最後の報告書がこちら⇒管理濃度等検討会・報告書

世の中には色んなものの管理濃度があるんだな〜なんて変に感心しちゃうんですが、この中で結晶質シリカの粉じんの管理濃度は、いろいろ検討した結果、アメリカの産業衛生専門家会議(ACGIH)が定めた基準値「0.05mg/㎥」をもとに改定案が出されていて・・・・

3.0/0.59Q+1mg/㎥」(Q:遊離ケイ酸含有率)となっています。

しかも、くどいようですがこの基準値も・・・

長期継続する粉体曝露という労働環境の管理濃度です。

とはいえ、忘れちゃいけない論点があります。
珪藻土が結晶質シリカなのか、どうなのか、ということです。

明日は「そもそも珪藻土って結晶性のシリカなのか? 」について・・・

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2005年08月22日

珪藻土の危険性【発がん性】を検討!やり玉にあがった珪藻土

《 続・シビアな問題のちょっとした調査−第3話 》
前回からまたまた時間が経ってしまい、申しわけありませんでした。
↓今までの話しもよろしければご覧下さい。
第1話:「この問題の経緯」
第2話:「シリカってなに?/建築に使われるシリカ」
さぁ、話しはこのへんから問題の核心に迫ってゆきます!

【3】 やり玉にあがった珪藻土

・・・そんな流れの中で、最近一般的な素材になってきた珪藻土の建材を危険視する人達が一部に現われ始めました。 主に騒いでいるのは珪藻土じゃない建材を扱う業者さんのようですが…

「珪藻土はシリカだろう!」 ・・・と。

珪藻土

いわゆる「珪藻土建材」の原料となる珪藻土は珪砂などと同様、自然界から採取される非結晶の二酸化ケイ素=シリカです。

珪藻とは、例えば川底の岩に付着している緑色のコケなども珪藻で、藻という名に合わず細胞の表面は二酸化ケイ素の殻でできています。
珪藻が死ぬと、殻の内部は分解され硬い殻=シリカだけが残るのですが、古代の珪藻が死んで堆積し、化石となったのが珪藻土です。

健康的な素材として塗り壁材などに多用されている珪藻土建材が、打って変わって発がん性のある物質じゃないか、というのですから聞き捨てならない話しです・・・ 問題です!

・・・でもちょっと前々回の冒頭を思い出してください。

IARC(国際がん学会)が発表したのは結晶性シリカによって
珪肺患者が肺がんを併発する可能性が高まる』ということ
でしたよね?


こちらがIARCのサイトで公開されている正式なドキュメントです。
(※PDFファイル、そしてもちろん英語ですが・・・)


そして日本国内でもその事を追認する動きになったわけでしたね。


う〜ん・・・
珪藻土がシリカであるということだけで、ほんとうに珪藻土建材を
危険視しなければいけない理由になるのでしょうか?


前々回リンクを貼り付けておいた労働基準局の議事録や報告書に
どうやらヒントが隠されているようです。(理由は次回述べます。)

ですが、その前にこの説明が必要だと思います・・・



【4】 じん肺という病

じん肺

昨今のアスベスト報道でご存知の方も多いと思いますが、ここであらためてじん肺という病気について説明いたしましょう。

じん肺症は最も古くからある職業病で、今日でもわが国最大の職業病であることに変わりありません。

じん肺とは「粉じんを長期に渡って吸い続けることによって、肺内に粉じんが堆積し、肺胞などの肺組織が硬くなって繊維化し、肺としての機能を果たさなくなる」恐ろしい病気で、原因物質により、石綿溶接工肺珪肺などと分類されます。

この病気は合併症になる例も多く、肺がんをはじめ様々な病気と合併し、命を落とすことになります。

じん肺の恐ろしさは、なかなか自覚症状が現われない点と、現代の医学でも根本的に治療方法がなく、二度と正常な肺に戻らない点にあります。

さて問題の珪肺とは、珪酸つまりシリカを吸引することによって生じるじん肺症の事でトンネル掘削現場や鉱山の労働者に好く発生します。

そう、日本をはじめ世界各国で論議されているのは、高い濃度の粉じんを暴露(ばくろ)つまり摂取し続ける劣悪な労働環境でのことなのです。

警告されているのは、決して・・・

一般家庭や通常の生活レベルの環境のことではありません。

次回、「厚生労働省 労働基準局の報告を読み解く 」につづく・・・

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2005年07月26日

珪藻土の危険性【発ガン性】を検討!シリカってなに?

《 続・シビアな問題のちょっとした調査−第2話 》

【2】シリカってなに?建築に使われるシリカ


まずはこれですね、
シリカってなに?

シリカとは二酸化珪素(にさんかけいそ・化学式でいうとSiO2)で構成されている物質の総称俗称)ってことになります。 他の呼び名として、無水ケイ酸、ケイ酸、酸化シリコンなどと呼ばれることもあります。

二酸化珪素で最も重要な点は、同じ化学組成式で構成されていても、生成された時の温度や圧力によって結晶構造が異なり、全く違う物質になるという点です。(これを化学的には多形と呼びます)

わかりやすい例だと炭素(化学式はC)が同じ多形の物質です。常温常圧では石墨、高温高圧ではダイヤモンドになるのは有名な話しですね。

二酸化珪素の場合、とにかく種類がたくさんあるんです。


自然界にあるシリカを具体的に挙げてゆくと・・・
最も普通に多産される天然の鉱石としては石英があります。
(石英にも色々種類があって有名な水晶をはじめオパールだの…e.t.c.)
石英は成り立ちが違うとトリジマイトクリストバライトなどその種類は20種類以上もあるそうです。 この手は結晶性鉱物の分類。

他にはガラスや半導体の原料になる珪砂(珪石)などの非結晶があり、同じ仲間に珪藻土も含まれてきます。

●で、地球上の表層にはこの二酸化ケイ素の鉱物や二酸化ケイ素の成分に富む物質が大量に含まれていて、その60%以上を二酸化ケイ素(シリカ)で占めているんだそうです。

単純な話し、人間はほとんどシリカの上に住んでいるってことですね。
大自然の中にもあちこち、都市部じゃグルッと囲まれてるわけです。


工業生産されるシリカとしては乾燥剤のシリカゲル(SiO2純度99.5%以上)が代表的です。 人工水晶(クオーツ)なども同様です。
またシリカを原料として(混入して)人工的に作られるモノはそれこそ星の数ほどあるんじゃないでしょうか。


『建築に利用されるシリカ』

では建築資材として使われているシリカってどんなものがあるんでしょうか?

純粋なシリカが単独で使われる例はあまりないと思いますが、あえて言えば外構のインターロッキングの目地に詰めたりする珪砂とか、まれに床下にシリカゲルを乾燥剤として敷く場合があるようです。

しかし・・・
シリカが含まれる素材として考えると凄い数になります。

まずコンクリートモルタル、地業に使う栗石から始まって、窓ガラスグラスウール、御影石や砂岩などの天然石タイル、様々な外壁素材、シリカ電球などなどかなりの建築素材にシリカは含まれています・・・

だてに地殻の60%以上を占めている物質じゃないですね。

たぶんシリカが混入していない素材だけでは、現代の建築物は成立しないでしょう。

つまりシリカと建築物は切っても切れない関係にあるわけです。
さぁ、だんだん本題に近づいてきました(笑)

次回、「やり玉にあがった珪藻土/じん肺という病」につづく・・・

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2005年07月20日

珪藻土の危険性【発ガン性】を検討!

《 続・シビアな問題のちょっとした調査−第1話 》

これは先日投稿した「シビアな問題のちょっとした調査」の続編です。

あの記事の反響は、「うかつにコメントできない」とか、「結局何を言いたかったの?」とか、なかには「珪藻土って怖いから使わないほうがいいってこと?」なんて方もいて・・・ 
続編をアップする必要性に迫られてしまったのです。

前回は悪く言うと突き放した書き方をしてしまいました。
それで上記のような感想をいただいてしまったと思うんですね・・・
そんな反省をふまえて、今回は何回かに分けてなるべく解りやすく進めてみたいと思います。

でも話しは長くなりますからね、覚悟しといて下さい(笑)

  **************************************************

巷ではアスベスト(石綿)による健康被害の話題で盛り上がっている時になんなんですが・・・(笑)  今回も話題はアスベストではなく・・・

結晶性シリカのじん肺と肺がんへの影響』についてです。


【1】この問題の経緯

●この問題、ことの発端は1996年にIARC(国際がん学会)が『結晶性シリカは人に対する発がん性がある』という発表をしたことから始まります。
これは単純に発がん性があるんだよ〜という話しではなく、『珪肺患者が肺がんを併発する可能性が高まる』という報告です。
このへん、まずは誤解のなきように!
>>IARCのサイトで公開されている正式なドキュメントです。(PDF)

●この発表をうけ、国内では旧労働省が職業がん対策専門家会議を催し、平成12年11月に『疫学調査及び、動物実験からシリカの発がん性を的確に評価することは困難であり、現時点ではシリカそのものの発がん性に関しては引き続き情報収集に努めることが望ましいと考える』という報告をまとめました。

●その後暫定期間の末に平成13年の4月日本産業衛生学会がIARCの評価を支持する旨の見解を示しました。

●そしてこの見解を受け、平成13年の7月に厚生労働省の労働基準局が、疫学、じん肺、肺がん等の国内の権威である専門家達を招集し、「肺がんを併発するじん肺の健康管理等に関する検討会」を4回に渡り行い、最終的に平成14年10月報告書としてまとめられ、現在にいたっています。(以下のリンク参照)

厚生労働省/労働基準局

肺がんを併発するじん肺の健康管理に関する検討会
第1回議事録(平成13年 7月 3日開催)
第2回議事録(平成13年10月11日開催)
第3回議事録(平成14年 4月30日開催)
第4回議事録(平成14年 8月 8日開催)

報告書(平成14年10月 1日)


以上がこの問題に対する公的機関の動きです。
(すべてネットで公開されている公的な情報です。)

この問題、決して放置されているわけではなく、公的機関にしてはむしろ迅速?に対応が進んでいるように僕には思えます。

う〜んこの先長くなりそうですね・・・
でも長いと見るのが嫌になっちゃうでしょうから、ひとまずこのへんで。

次回、「シリカってなに? 建築に使われるシリカ 」につづく・・・

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2005年07月08日

シビアな問題のちょっとした調査

シビアな問題のちょっとした調査
 
このちょっとした調査は、話題の珪藻土建材『はいからさん 』の発表会に参加できなかった仲間から以前僕に質問があり、調べたものです。
 
この件については口に出さなくても気にしている地場工務店や設計事務所さんなども、きっといらっしゃるんじゃなかろうかと思い、ブログで公開することにしました。
 
内容には当該商品の関係者に教えていただいたことも含まれています。
またこの調査は本格的ではなく、あくまで『ちょっとした』調査なので不備もたくさんあると思います。 (だからあんまり突っ込まないで下さいね…)
 
まずあらかじめお読みいただく前に・・・
結晶性シリカのじん肺と肺がんへの影響 』について
各自お調べ下さい・・・  いきなり突き放しちゃいました(笑)
でもそこまで詳しく説明してる時間がないことをどうぞご理解下さい。
 
問題は珪藻土建材がIARC(国際がん学会)で言うところの『グループ1の結晶性シリカ』に該当するか? という点です。
 
説明しやすいように話しをいくつかに分けましょう。
 
(1)珪藻土はシリカです。
   しかも珪藻土建材といわれるものは全て焼成しています。
     ですからハッキリ言って全ての珪藻土建材は・・・・
   結晶性シリカを含んでいます。
 
(2)しかし焼成した珪藻土が直ちにグループ1の結晶性シリカである
   とは言い切れません。
 
(3)なぜなら無機質の物質がじん肺や発ガン性物質となる場合、
   その形状・形態が問題だからです。
    ひとくちにシリカといっても色々あり、例えば砂糖にも角砂糖もあれば
   粉砂糖もあるのと似ていますね。

 
 

以下に各項目について補足を加えます。
 
(1)珪藻土建材は全て焼成しています。
   焼く事によって珪藻土はその多孔質である性能をアップして、
   色を出すことも可能になります。
   違う例ではみなさんがお飲みになっているビールなどの濾過装置
   に利用されている珪藻土も同様です。 もともと非結晶シリカである
   珪藻土は、焼成され結晶性シリカとなります。
 
(2)結晶性のシリカとひと言でいっても我々の身の回りの自然石や
   セメントなど無数の物質に二酸化ケイ素つまり結晶性シリカは
   含まれています。(あるいはシリカそのもの)
   それらすべてがIARCのグループ1に該当すると判断するのは
   かなり無理があると思います。(私見)
 
   結晶性珪藻土を含む全ての身の回りの結晶性シリカを検証する
   事が望ましいのでしょうが、それは可能でしょうか?
 
(3)無機質の物質がじん肺や発ガン性物質として機能する場合、
   その形状・形態が一番問題になると言われています。
 
    そのことは発ガン性物質であるアスベストやガラス繊維などの形状が
   ささくれだっていることからも推測できます。
     物質が肺の中にいったん入ると刺さったまま人体から出てこれない
   のですね。
 
   翻って珪藻土の場合、その形状はささくれだっていないので
   体内で停滞する事はちょっと考えにくいのではないでしょうか(私見)
 
(3')仮に焼成した珪藻土が人体へ影響を与えると仮定しても、
     結晶性シリカの問題は『粉塵』の状態でのこと。
     粉塵ではなく完全に固形化した塗り壁の状態になっている珪藻土
   が人体に影響を与えることができるでしょうか?
 
     自然に壁から粉になって剥がれていかないとも限りませんが、
   例えば硬度が圧倒的に高い「はいからさん」などの場合は、かなり
   その心配も少ないと思われます。
 
     念のため完全に硬化した珪藻土を紙ヤスリなどで研磨するのは
   避けたほうが賢明かもしれませんね。
     また施工時や解体時はマスク着用したほうがよいでしょう。
   それはなにも珪藻土に限ったことではありませんが(笑)
 
 
今のところ結論めいた事は言えませんが、このような問題提議がある以上、施主や施工者に対して、判明している事実と判明していない事実をよく理解させた上で、販売・採用する姿勢が望ましいと思います。
 
ああそれともうひとつ、話しをすり替えるわけじゃありませんが、シリカの粉塵という意味では珪藻土建材よりはるかに危なそうなもの が平気で使われていますよ・・・
 
よ〜く冬になるとテレビの宣伝で耳にすると思いますが・・・
皆さんご存知の『シリカ配合スタッドレスタイヤ 』です(笑)
あれの末路はこれ以上ないような粉塵ですから・・・
み〜んな吸ってますよね、誰も気にしてないみたいですが・・・
このことはネットでも引っ掛かりません。
でも知ってる人は知ってます(笑)
 
いずれにしても物質が人の健康へ与える影響については判らないことだらけ です。(物質だけではありません、例えば電磁波など・・・)
結晶性シリカがたまたま問題になっているだけで、人間に判っていることなど星の数ほどある問題のほんの一握り でしょう。
いや、指先程度かも・・・

 
以上、ちょっとした調査でした。
みなさん少しはお役に立ちましたか?
 
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Posted by o_genba at 09:10Comments(14)TrackBack(1)