2005年08月24日
珪藻土の危険性を検討!そもそも珪藻土は結晶性のシリカなのか?
《 続・シビアな問題のちょっとした調査−第5話 》
【6】 そもそも珪藻土って結晶性のシリカなのか?
このへんでちょっと「珪藻土の素材そのもの」に話しを戻しましょう。
いわゆる「珪藻土建材」の原料となる珪藻土は珪砂などと同様、自然界から採取される非結晶の二酸化ケイ素=シリカです。
・・・ と前々回書きました。
そして最初の「シビアな問題の 〜 調査」にはこうも書きました・・・
「珪藻土建材は全て焼成しています。 そして非結晶シリカである 珪藻土は焼成されて結晶性シリカとなります。」
・・・ その後自分で書いておきながらちょっと不信に思い、このことを再調査してみたところ、あらたに公的な機関の研究報告が見つかりました。
こちらです⇒能登珪藻土の吸放湿特性
これは石川県工業試験場が公開している珪藻土の研究論文です。
この報告の中にとても注目すべき記述を見つけました・・・
「全く吸湿能を失った1,200℃で焼成した精製品の非結晶シリカが、ほとんどクリストバライトに変化している。」
クリストバライトとはIARCのグループ1に分類される発がん性の結晶質シリカです。
「やっぱり発がん性のある結晶質のシリカになってるじゃないか!」
・・・という声が聞こえてきそうですね。
しかし注目すべきことは、ほとんど結晶質のシリカになってしまった
珪藻土の吸湿性能が完全に失われている点です。
言い換えると・・・
結晶質シリカに変質した部分は調湿性がなくなっている
・・・ということです。
翻って、まだふんだんに調湿性能が発揮されている珪藻土について考えると、その組成に非結晶の部分が多く残されていてそれが機能している証拠ではないかと考えました。
そこで焼成珪藻土(岡山産)を製造しているメーカー( 珪藻土建材の元になる素材としての珪藻土を製造しているメーカーです。)からクリストバライトの含有データの情報をゲットしました。
結果は3.6〜23%というもの。
(社内データ、測定方法は未だ一般化していないようです。)
正直もっと低い数字を期待してたんですが、まぁ想定内ってとこだと思います。
一品種の珪藻土のデータだけとって語るのもどうかと思いますが、このことから、吸湿性能の高い珪藻土ほど結晶性シリカに変化している割合は少ない、と考えてもあながち誤りでもなさそうです。
ところで、そんなおり珪藻土の結晶質シリカの含有量が3%を超えるものが危険だとする文章が海外にあると聞きました。
これは聞き捨てならない話し(含有率)です!
今回のデータは3%以上なんですから・・・
その話しの真偽を確かめる必要がありそうです・・・