2005年08月23日
珪藻土の危険性【発がん性】を検討!厚生省の報告書を読み解く
《 続・シビアな問題のちょっとした調査−第4話 》
【5】 厚生労働省 労働基準局の報告を読み解く
前回、『労働基準局の議事録や報告書にどうやらヒントが隠されているようです。』と述べました。
その理由は、このレポートを読んでみると・・・ この検討会では
IARCの報告だけでなく、各国のシリカ関係の研究資料・論文を多数集めて公平に検討していることがわかるからです。
文献の数は93件にも及んでいます。
では厚生労働省の労働基準局が国内の権威である専門家達を招集し、「肺がんを併発するじん肺の健康管理等に関する検討会」によってまとめられた報告はどんな内容なのでしょうか?
肺がんを併発するじん肺の健康管理に関する検討会
第1回議事録(平成13年 7月 3日開催)
第2回議事録(平成13年10月11日開催)
第3回議事録(平成14年 4月30日開催)
第4回議事録(平成14年 8月 8日開催)
報告書(平成14年10月 1日)
議事録や報告書をざっと読み進めていくと、まず気づく点は・・・
「珪藻土」という単語がほとんど登場しないことです。
出てくる事例のほとんどが採石や鉱山、レンガ、陶器などの、もろに結晶質のシリカである物質を取り扱う産業での被害例ですね。
唯一「珪藻土産業」の研究報告は1例だけあり、( Checkowayらの珪藻土作業者についての研究論文:1999年 ) そのなかで非珪肺患者群にシリカ曝露と肺がんリスクの相関関係が若干認められるものの珪肺症例が少なく判断は困難との結論を得ています。
そして最後の報告書の結論として⇒結論・評価と書かれています。
この結論を要約すると・・・
・結晶質シリカを含む粉じんの曝露を受けた集団に肺がんリスク
が若干上昇している。
・じん肺患者群を調べた調査ではリスク上昇が認められる。
・非じん肺患者群を調べた8調査ではリスク上昇はみられなかった。
・動物実験と変異原性試験からは結晶性シリカの発がん性は明確
には認められなかった。
・しかしじん肺の病変を介して肺がんが発生するプロセスを類推
することは疫学的結果と矛盾せず合理的な説明が可能。
・結局今回のスタディーからは結晶質シリカそのものの発がん性
は明らかにできなかった。
・だが今後知見を蓄積したうえで再判断が必要。
長いのでこれをもっと短く解りやすくまとめると・・・
「 じん肺(珪肺)患者にとっては結晶質シリカは発がん性のあるものだけど、そうでない人にとって発がん性があるかどうかは、はっきり分からない。 でも今後研究を要する。」
・・・ということでしょうか。
とはいえ、じゃあ普通の人なら結晶質シリカをガンガン吸っちゃっても平気なのか?ってことにはなりませんよ。
肺がんになる前にじん肺(珪肺)になっちゃいますから。
このへんのことは、同じく労働基準局が続いて平成14年3月から平成15年7月、9回に渡って研究会を開催した「管理濃度等検討会」によって、空気中の結晶質シリカの管理濃度も検討されています。
その最後の報告書がこちら⇒管理濃度等検討会・報告書
世の中には色んなものの管理濃度があるんだな〜なんて変に感心しちゃうんですが、この中で結晶質シリカの粉じんの管理濃度は、いろいろ検討した結果、アメリカの産業衛生専門家会議(ACGIH)が定めた基準値「0.05mg/㎥」をもとに改定案が出されていて・・・・
「3.0/0.59Q+1mg/㎥」(Q:遊離ケイ酸含有率)となっています。
しかも、くどいようですがこの基準値も・・・
長期継続する粉体曝露という労働環境の管理濃度です。
とはいえ、忘れちゃいけない論点があります。
珪藻土が結晶質シリカなのか、どうなのか、ということです。
明日は「そもそも珪藻土って結晶性のシリカなのか? 」について・・・
前話へ ≪ 1 2 3 4 5 6 7 8 ≫次話へ
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【5】 厚生労働省 労働基準局の報告を読み解く
前回、『労働基準局の議事録や報告書にどうやらヒントが隠されているようです。』と述べました。
その理由は、このレポートを読んでみると・・・ この検討会では
IARCの報告だけでなく、各国のシリカ関係の研究資料・論文を多数集めて公平に検討していることがわかるからです。
文献の数は93件にも及んでいます。
では厚生労働省の労働基準局が国内の権威である専門家達を招集し、「肺がんを併発するじん肺の健康管理等に関する検討会」によってまとめられた報告はどんな内容なのでしょうか?
肺がんを併発するじん肺の健康管理に関する検討会
第1回議事録(平成13年 7月 3日開催)
第2回議事録(平成13年10月11日開催)
第3回議事録(平成14年 4月30日開催)
第4回議事録(平成14年 8月 8日開催)
報告書(平成14年10月 1日)
議事録や報告書をざっと読み進めていくと、まず気づく点は・・・
「珪藻土」という単語がほとんど登場しないことです。
出てくる事例のほとんどが採石や鉱山、レンガ、陶器などの、もろに結晶質のシリカである物質を取り扱う産業での被害例ですね。
唯一「珪藻土産業」の研究報告は1例だけあり、( Checkowayらの珪藻土作業者についての研究論文:1999年 ) そのなかで非珪肺患者群にシリカ曝露と肺がんリスクの相関関係が若干認められるものの珪肺症例が少なく判断は困難との結論を得ています。
そして最後の報告書の結論として⇒結論・評価と書かれています。
この結論を要約すると・・・
・結晶質シリカを含む粉じんの曝露を受けた集団に肺がんリスク
が若干上昇している。
・じん肺患者群を調べた調査ではリスク上昇が認められる。
・非じん肺患者群を調べた8調査ではリスク上昇はみられなかった。
・動物実験と変異原性試験からは結晶性シリカの発がん性は明確
には認められなかった。
・しかしじん肺の病変を介して肺がんが発生するプロセスを類推
することは疫学的結果と矛盾せず合理的な説明が可能。
・結局今回のスタディーからは結晶質シリカそのものの発がん性
は明らかにできなかった。
・だが今後知見を蓄積したうえで再判断が必要。
長いのでこれをもっと短く解りやすくまとめると・・・
「 じん肺(珪肺)患者にとっては結晶質シリカは発がん性のあるものだけど、そうでない人にとって発がん性があるかどうかは、はっきり分からない。 でも今後研究を要する。」
・・・ということでしょうか。
とはいえ、じゃあ普通の人なら結晶質シリカをガンガン吸っちゃっても平気なのか?ってことにはなりませんよ。
肺がんになる前にじん肺(珪肺)になっちゃいますから。
このへんのことは、同じく労働基準局が続いて平成14年3月から平成15年7月、9回に渡って研究会を開催した「管理濃度等検討会」によって、空気中の結晶質シリカの管理濃度も検討されています。
その最後の報告書がこちら⇒管理濃度等検討会・報告書
世の中には色んなものの管理濃度があるんだな〜なんて変に感心しちゃうんですが、この中で結晶質シリカの粉じんの管理濃度は、いろいろ検討した結果、アメリカの産業衛生専門家会議(ACGIH)が定めた基準値「0.05mg/㎥」をもとに改定案が出されていて・・・・
「3.0/0.59Q+1mg/㎥」(Q:遊離ケイ酸含有率)となっています。
しかも、くどいようですがこの基準値も・・・
長期継続する粉体曝露という労働環境の管理濃度です。
とはいえ、忘れちゃいけない論点があります。
珪藻土が結晶質シリカなのか、どうなのか、ということです。
明日は「そもそも珪藻土って結晶性のシリカなのか? 」について・・・
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Posted by o_genba at 09:08│Comments(4)│TrackBack(0)
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この記事へのコメント
コメントありがとうございます。
「続・シビアな問題のちょっとした調査」の続きをず〜っと楽しみにしておりました。(自分ではブログをサボっていたくせに、、、)
明日が来るのが楽しみです(ワクワク)
「続・シビアな問題のちょっとした調査」の続きをず〜っと楽しみにしておりました。(自分ではブログをサボっていたくせに、、、)
明日が来るのが楽しみです(ワクワク)
Posted by トムからのお手紙 at 2005年08月23日 11:17
仙台の柏倉さん、コメント&記事中で紹介いただき有難うございます!
しかも、この小難しい話しをず〜っと楽しみにしてくれていたなんて!
ぜんぜんコメント入らないから、だ〜れも興味のない話題になっちゃったのかな〜なんて思ってたもんですから、感激です!
今回の続・シビアな問題のちょっとした調査は全部で7話構成になりそうです。
ご期待下さいー!
しかも、この小難しい話しをず〜っと楽しみにしてくれていたなんて!
ぜんぜんコメント入らないから、だ〜れも興味のない話題になっちゃったのかな〜なんて思ってたもんですから、感激です!
今回の続・シビアな問題のちょっとした調査は全部で7話構成になりそうです。
ご期待下さいー!
Posted by 管理人@ただいま建築中! at 2005年08月23日 21:56
小難しい話でちんぷんかんぷんですがUP待ってました。
ところで「はいからさん」はマイナスイオンは発生するのでしょうか?「薩摩中霧島」は発生するという話ですが。
シリカとは話がそれちゃいますが、電磁波でプラスイオンが発生するらしいので、マイナスイオンで中和できないものかとアホなことを考えています。
ところで「はいからさん」はマイナスイオンは発生するのでしょうか?「薩摩中霧島」は発生するという話ですが。
シリカとは話がそれちゃいますが、電磁波でプラスイオンが発生するらしいので、マイナスイオンで中和できないものかとアホなことを考えています。
Posted by たまたま at 2005年08月24日 00:04
たまたまさん、ご無沙汰しておりました。
ちんぷんかんぷんですみません(笑)貴女にまで待っていただいていたんですね・・・
たいへんお待たせしちゃいました、すみません。
う〜んマイナスイオンですか・・・
だいたい「マイナスイオン」なる不思議であいまいな物質の正体は何?ってところから始めないとなので(笑)
たんてきに言うと・・・科学的に考えて、何らかの電気的エネルギーを加えずに無機質の物質からその「マイナスイオン」なるものが自然に飛び出ることは不可能じゃないかと思います。
電磁波はあいまいなものではありませんが、中和?より遮断および発生させない工夫を考えることが現実的です。
付け加えると、おそらくほとんどのマイナスイオングッズは科学的な根拠がないはずなので十分気をつけて下さい。
ちんぷんかんぷんですみません(笑)貴女にまで待っていただいていたんですね・・・
たいへんお待たせしちゃいました、すみません。
う〜んマイナスイオンですか・・・
だいたい「マイナスイオン」なる不思議であいまいな物質の正体は何?ってところから始めないとなので(笑)
たんてきに言うと・・・科学的に考えて、何らかの電気的エネルギーを加えずに無機質の物質からその「マイナスイオン」なるものが自然に飛び出ることは不可能じゃないかと思います。
電磁波はあいまいなものではありませんが、中和?より遮断および発生させない工夫を考えることが現実的です。
付け加えると、おそらくほとんどのマイナスイオングッズは科学的な根拠がないはずなので十分気をつけて下さい。
Posted by 管理人@ただいま建築中! at 2005年08月24日 00:58
